この記事では第26回鮎川哲也賞を受賞した『ジェリーフィッシュは凍らない』市川憂人のあらすじと感想を紹介します。
あらすじ
特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船〈ジェリーフィッシュ〉。その発明者であるファイファー教授を中心とした技術開発メンバー6人は、新型ジェリーフィッシュの長距離航行性能の最終確認試験に臨んでいた。ところが航行試験中に、閉鎖状況の艇内でメンバーの一人が死体となって発見される。さらに、自動航行システムが暴走し、彼らは試験機ごと雪山に閉じ込められてしまう。脱出する術もない中、次々と犠牲者が……。21世紀の『そして誰もいなくなった』登場! 精緻に描かれた本格ミステリにして第26回鮎川哲也賞受賞作、待望の文庫化。
「Books」データベースより
こんな人におすすめ
王道ミステリー好きにおすすめ!
この作品では、ミステリー好きなら一度は読んだことがある『雪で閉ざされた僻地』が出てきます。これまでの作品で犯人を当てられた人も当てられなかった人も是非この作品を読んで真相を推理してみてください。
科学好きにもおすすめ!
本作は小型飛行船”ジェリーフィッシュ”がキーワードとなり、登場人物はその開発者たちです。技術の内容にも現実味があり、空想科学的な楽しみ方もできます。
感想(ネタバレ無): 『ジェリーフィッシュは凍らない』市川憂人
おすすめ度: 9/10
読後はしばらく余韻に浸っていました。。
特に“ミステリーのプロット”、“設定のリアルさ”、“読後感”が素晴らしい作品。
“ミステリーのプロット”
『そして誰もいなくなった』を連想させるプロットだけど、科学や人間関係の複雑さを混ぜることで読者を飽きさせない構成になっています。
細かい伏線も多いから終始油断できず、全く飽きが来ませんでした。
“設定のリアルさ”
登場人物への共感度がすごい。市川先生の表現力が凄まじく、すべての人物に共感ができてしまう。すべての人の単純な思惑が複雑に絡み合って一つの物語になっていくのが爽快でした。
“読後感”
予想できないエンディング。読み終わった後も続きが気になってしまう、、、その後どうなったのだろうかと1週間ぐらい余韻に浸っていました。
あえて悪かった点を挙げると、書き出しの部分が小難しいところです。技術者目線で書かれている部分があるため少し難しい表現が出てきます。特に書き出しの部分で目立つため、読み始めは抵抗感を抱く人もいるかもしれません。
僕も読み出して「ん?難しい本か?」と面喰いましたが、本当に最初だけでした。
そんな『ジェリーフィッシュは凍らない』の総評は、本当に出会えてよかった一冊!です。
文庫化されている続編の『ブルーローズは眠らない』『グラスバードは還らない』はすでに入手済みなので、早く読みたい、、
『ジェリーフィッシュは凍らない』はAudibleで聴ける
市川憂人さんの『ジェリーフィッシュは凍らない』はAudibleで聴けます!
高評価と低評価のレビューをざっと読みましたが、ミステリーへの価値観を論じている人がほとんどでした。
ボイスに対する高評価は多かったですが低評価は少なく聴きやすい作品なのだと思います。
僕もサンプルを聴いてみましたが、渋い声で作品の雰囲気に合っていました。
レビューも高いです!
〈マリア&漣〉シリーズ 5作品
『ジェリーフィッシュは凍らない』から始まる〈マリア&漣〉シリーズは5作品出ています。
そのうち3作品は文庫化されています。残りの2作品は単行本、電子書籍で楽しむことができます。
下記の画像をクリックするとAmazonのページに飛びます!
さいごに: 『ジェリーフィッシュは凍らない』市川憂人は国内屈指の王道ミステリー!
今回は市川憂人さんの『ジェリーフィッシュは凍らない』の紹介しました。
本当に面白いので読んでみてください、、、
シリーズものなので続きも早く読みたいです。(すでに2作品は文庫で購入済み)
続編を読んだらまた感想を書きます。